修理

この記事は、ご新規さまに向けて書かせて頂きました。
作り手目線で恐縮ですが、少しでも御理解いただけますように。
----------------------------------------------------------------------------------------

1年3ヶ月ほど前にヨメに出した この娘が、、、
IMG_4863.jpg






里に帰って来ました。
IMG_0737.jpg






お、おお、、、 !?
IMG_0738.jpg






おおおうっ!!!
娘よ、一体なにがあった!?!?!?
IMG_0739.jpg



嫁ぎ先で姑に布団叩きで叩かれでもしたか、
それとも夫のDVか。

とにかく娘の身も心も(?)ボロボロです。
里で しっかり癒してやらねば!!!



、、、そんな物語は ここまでにして、



修理の様子を ちょっと細かめにアップしてみます。
今まで あまり修理について書いた事がありません。

時々 鞄の修理について お問い合わせを頂く事があります。
私の作った鞄の事も たまにはありますが、
そうではない市販品や 他の方が作った鞄の事の方が多いです。

最近は ご新規の方の修理のお問い合わせが多くなっています。
不景気の影響でしょうか。

大体は、
お気に入りで まだ使えるのに、ここだけ壊れた破れた、
お気に入りなのに、ここだけ使いにくい、そんなので。

修理というのは、新しく作る事よりも大変な作業です。
それに、お客様の品物を失敗してはならないという
大きなプレッシャーが あります。
縫った糸を解いて、また縫い直すならば、
正当価格は 新品を買って頂く方が 遥かにお安い、と思います。

でも、それは なかなか御理解 頂きにくいのです。

メールでお打合せをした後、高過ぎると言われるのが辛いです。
作り手は 安過ぎると思っていて、両者の溝は深くて埋まりません。

でも、まあ そんなものだと思います。
作り手の私だって、分野が違えば、
買った方が 安いじゃない
と、思う事は しょっちゅうですから。

それから もうひとつ、
修理の場合は事前にお見積りを出すのが 非常に難しいです。
実際に手にしてみなければ分からない事が多いです。
殆ど全てが 事前に予想していたより 大変な作業に なります。

この世界は 超々低賃金の世界です。
労働基準法、最低賃金、
ナニソレ!? タベレルノ!? そんな世界。


本当はブログには 鞄の修理をアップしたかったのですが、
そんな機会は あまりなく、
タイミング良く お預かりした手帳カバーの修理です。






さて、この手帳カバーですが、
ダメージは事前に画像で拝見しておりました。
IMG_0737.jpg
ダメージは、革が何枚も重なり複雑な作りの場所で、縫い直しは不可。

修理は、革の表面を整え色を塗る、と言う事で準備しておりましたが、
実際に手帳カバーを拝見すると それも無理でした。

革の表面を整えようとすれば、
ミシン目の上に ボンドがこびりついていて糸が切れそうですし、
革の最も薄い部分では 革床まで完全に穴をあけてしまいそう。

革表面を完全にキレイにできなくても、
飾りチャームを縫い付け ダメージを目立たなくさせるつもりでしたが
それも無理そう。






それで、予定変更して、
革で花びらを沢山作って、コサージュにして縫い付けようとしました。
でも、花芯の位置がカバー本体に干渉してしまって
あまりバランス良く出来ませんでした。
IMG_0741.jpg






そんなこんなで、もう一度 最初から仕切り直し。
IMG_0746.jpg






革を長い帯状に切り出しました。
IMG_0740.jpg






薄々に漉きました。
IMG_0742.jpg






漉いた帯革を ぐし縫いして縮めてフリルにしたものを
手帳カバーに仮留めした状態です。
IMG_0743_20170425234116529.jpg
そして全体のバランス チェック。
うん、フリル でか過ぎです。






革をカット、仮留め、バランスチェックを何度か繰り返し、
OKになったら 革のコバ処理です。
IMG_0744_20170425234118141.jpg






そして、やっと縫う。
ここまでが長いYO!
IMG_0745.jpg






それから飾り物の検討。
これは けっこう楽しいYO!
IMG_0747.jpg
ピンクの お花は、U.S.A.ヴィンテージです。
革色にピッタリで、前もって準備していました。
でも、残念ながら今回は使うのは無理みたい。






検討の結果、アンティークのチェコガラスボタンに決めました。
1930年代の古いデッドストック、チェコから取り寄せた品。
ちょっと大きめの、とっても美しい細工のガラスボタンです。
IMG_0748_20170425234130557.jpg






そのボタンは ここに、
テグスで しっかりと縫い付けました。
IMG_0749.jpg






それから、天然石も。
画像は シルバーフラッシュクリスタル です。
小さいけれど、全面にカットの入ったドロップ型の美しいもの。
お気に入りで大事に使っています。
IMG_0750.jpg






天然石は 装飾とフリルの抑えを兼ねています。
完成品のテグスでの縫い付け作業は、
普通の製作より大変で時間もかかります。
IMG_0752.jpg
画像には写っていませんが、
天然石は シルバーフラッシュクリスタルの他に、
クリアな水晶も加えました。






天然石の次は、革床の処理です。
フリルが固くなり過ぎない様に、
必要な部分だけを この段階で処理します。
IMG_0754_20170425234143898.jpg






革の処理剤が乾いたら、テグスのボンド処理です。
天然石は一粒ずつフリル裏でテグスを結んでいます。
IMG_0755_20170425234145fd9.jpg






ボンド、乾きました
IMG_0756_20170425234146b8c.jpg


フリルのクシャッとした感じ、思い通りにできました
IMG_0757_2017042523414890f.jpg


派手に飾っていますが、機能的にも問題ありませんよ
IMG_0758.jpg






裏面には、
ミシンの縫い線が短く1本、テグスの縫い跡が ポツポツと数カ所。
でも、派手な飾付け、糸を解かずに修理したわりには良いでしょう。

縫い跡は布で覆って隠す事もできますが、
後々 それがまた剥がれてしまうと返って厄介なので やめました。
手帳を入れると ここは隠れてしまいますしね。
IMG_0759.jpg






最後に、
ダメージ部分以外にも 経年劣化で 革の色褪せが ありましたので、
色を乗せてキレイにしました。
IMG_0760_2017042523420102b.jpg
最後の最後に、革にローションを塗ってアンチエイジング。
それが乾いたら、修理 終了




と、まあ こんな風に、
糸を解かない小物の修理ですら、これだけの作業量でした。

実際に手を動かすよりも、考える時間の方が ずっと長いです。
修理は どこでも好きに縫える訳ではありません。
元の機能を損なわない様に、美も損なわない様に、考える事が多いです。
考える時間、手は あまり動いていませんが、これも労働です。

鞄の場合、糸を解く場合は、もっと大変です。
糸を解く作業だけでも かなり大変。
そしてパーツを傷めず元に戻し、元の針穴どおりに縫うのですから。

表も裏も糸が見える箇所では、
組み直したパーツの 表と裏の針穴 両方に再び針を通さねばなりません。

しんどすぎる、失敗が怖い、お代は幾ら頂いても やりたくない。
これが作り手 全員の本音です。(私調べ)

私は 自分の作ったもの以外の修理は お受けしておりませんが、
でも、思い入れのある お品物の場合など、
心動かされた場合に 受けさせて頂く事があります。

でも、どうぞ高過ぎると おっしゃらないでください。

低価格で修理してくださる方が いたとしたら、
その方は 慈愛に満ちた仏様かマリア様でいらっしゃる。



さて、

今回の手帳カバーの修理費は、5,930円 です。
高いですね。
新品カバーが買えちゃいますね。

で、内訳を公開します。

 ・革(日本製カーフ上等部分) 6ds 750円
 ・チェコアンティーク ガラスボタン 1300円
 ・天然石 282円
 ・革処理剤 ボンド 両面テープ他 100円
 ・手間賃 3,500円



材料費は実費で、普通に買うより お安いです。
この手間賃では、学生コンビニバイトの時給の半分もありません。
なのに工業用機械・プロ用資材を使用しています。

手間賃 3,500円から、
機械の維持費、梱包費、発送やメールの時間、海外品を探す労力など、
まだ出るものもあり、仕事としては破綻しています。

ですから、高いけど 高くないのです。
1万円の市販品バッグの修理費が2万円でも、詐欺じゃないのです。

チェコボタンで費用が嵩んでしまいましたが、
私は ここで数百円をケチりたくはありません。
多少 高くなっても 最も良いと思う物を使いたいです。

修理、こんな感じで、決して暴利を貪ってはいないのです。

修理価格は、私としてもギリギリの妥協ラインです。
今よりお安く お受けする事は どうしても出来ません。
どうぞ ご理解いただけましたら幸いです。




貪りたいのは山々だが
ポチッとね♪
人気ブログランキングへ

コチラもね♪
にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイドバッグへ
関連記事
スポンサーサイト



( 2017.04.26 ) ( Handmade その他 ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
コメント

コメントする?












 秘密コメント

トラックバック
トラックバックURL